登山Climbingは理想的な有酸素運動です!Vol.1


最近トレーニング不足というか ほとんどできていません
そのせいか 山行から帰ってきた翌日・翌々日あたりはかなりひどい筋肉痛に悩まされます
実は山行そのものが最高のトレーニングだったりするのですが・・・
10月に穂高岳に上った際は 登っている最中から 脚が悲鳴を上げ
2日目はほとんどまともに歩けないような感じでした
いかに普段からのトレーニングが大切かを痛感しました



登山は理想的な有酸素運動

運動が健康によいっていうのは、TVなどで頻繁にやっていますし、なんとなく実感としても感じられますよね  ではなぜ運動は身体によいのでしょう?
身体を動かすのは筋です。筋は炭水化物と脂肪を燃料としてこれを空気中から取り入れた
酸素を使って燃やして、エネルギーを生み出して動きます。これは、自動車のしくみとよく似ています。エンジンは燃料のガソリンを酸素で燃やし エネルギーを生み出すことで動きます。つまり、エネルギー源がガソリンか食物かの違いだけであとの化学反応は全く同じなんですね。
生物は、進化の過程で効率的にエネルギーを生み出すために、豊富にあって使いやすい酸素を使ったいわば内燃機関を選択したんです。
この内燃機関が「ミトコンドリア」。これについてはまた別の機会に。


怖い内臓脂肪

運動をすると、脂肪が燃料として燃やされます。こうすることで、生活習慣病の原因の一つになる過剰な脂肪の蓄積を防ぐことができます。
適度な皮下脂肪は断熱材でもあり、体温より外気温が低い環境では体温を保っています。
またクッション性があるため、カラダを衝撃から保護する緩衝材の役目も果たします。
一方、皮下脂肪におさまりきらない脂肪は内臓脂肪として蓄積されます。
脂肪組織は、臓器は構成しないけれど一種の内分泌器官として全身の代謝を調節するホルモンを出しています。これを「アディポサイトカイン」といいます。
*脂肪(Adipose tissue) からでるサイトカイン(Cytokine)のいわば略語です。
脂肪もただだまっているだけじゃなくて、意外と働いていたんです。

ただし、このアディポサイトカインには、コレステロールと同じように善玉と悪玉があります。特に過剰な内臓脂肪や第3の脂肪といわれる「異所性脂肪」(心臓など本来つくべきところでないところについた脂肪)は、とても怖いしろもので、悪玉ホルモン(詳しくはTNF-αやレジスチンアンジオテンシノーゲンなどのいわば不都合なホルモン)をたくさん放出します。それだけではなく、善玉ホルモン(アディポネクチン)の分泌を低下させてしまうW(ダブル)の悪者なのです。
この悪者の生みの親であるよくない脂肪、これを効率よく燃やしてくれるのが運動なんです。


呼吸循環系をブラッシュアップ

また脂肪を燃やす時には酸素が必要となるので、自然と酸素を取り入れ、血液にのせて循環させる呼吸循環系を活発に使うことになります。活発につかうことで、能力アップ!心筋は全身の中でも最も働き者の筋肉そこへ有酸素運動である程度以上の負荷をかけるとより多くの血液を必要な場所に届けようと効率化が図られます。
心臓自体の容量が大きくなるんです!そうすると、1回あたりのポンピングで送られる血液が増えることになります。
(これを容積負荷といいます。ちなみに筋トレなどで血圧を上げる負荷を圧力負荷といい
この負荷によって心筋は太くなるといわれています)
筋トレのとき、息、止まってませんか?やり方によっては、血圧が高くなったり、心筋が太くなりすぎてしまうのでご注意を。

有酸素運動でブラッシュアップされるのは心臓だけではありません。
肺を動かす筋肉群(呼吸筋)も鍛錬され、ガス交換の効率も上がります。
1回でより多くの酸素をデリバリーする能力を身につけます。
といっても肺自体は心臓のように自立して動く臓器ではありません。
肺を包み込む、肋骨の間の内・外肋間筋、また肺の底をカバーする横隔膜といった筋肉が呼吸運動を支えています。
これらの筋肉が有酸素運動で鍛えられ、筋力が増すことで、酸素を効率的に送ることが可能になるんですね!
そのほか、さきほどの工場である「ミトコンドリア」自体が増えたり、サイズも大きくなることがわかっています(^_-)-☆
プラントの生産能力アップ!というわけです。


有酸素運動と無酸素運動

このように、食物栄養素を酸素で燃やしてエネルギーを生み出す運動を総称して、有酸素運動(エアロビクス)と呼ばれます。 
そして典型的な有酸素運動が「登山」なんです。 

一方、人間には、非常時に酸素なしでもエネルギーを生み出せるようなしくみも備わっています。このような運動は無酸素性運動(アネロビクス)と呼ばれています。
たしかに非常時にゆっくりと酸素吸って、エネルギー作ってるわけにいかないですからね!ただこの無酸素でのエネルギー産生は、とても効率が悪く、長時間はもちません。
短時間に爆発的なエネルギーを生み出すイメージです。短距離走や相撲、重量挙げなどです。
ちなみに、登山のジャンルの中でも、ボルダリンングなどはこれに属します。
無酸素性運動は、脂肪や酸素も使わず、身体に強い負荷をかけるので場合によっては
かえって健康を害することもあります。
しっかりとトレーナーに教えてもらうのが、安全なトレーニングのために大事になります。




次回は、さらに筋肉やミトコンドリアについて書いてみたいと思っています。