2011年7月17日 岳沢小屋にて |
北アルプスの最高峰 奥穂高への最短ルート
上高地―岳沢―前穂―奥穂―岳沢―上高地 山行のRECORDです
奥穂高岳は 富士山 北岳に次ぐ 日本第3位の高峰で 標高3190㍍
その山頂に最も早く立てるルートが今回の岳沢―重太郎新道です
上高地から岳沢小屋に登り 前穂高へ登るこのコースは
穂高の主 今田重太郎さんが
拓いたことから 「重太郎新道」と呼ばれており
奥穂高山頂への最もポピュラーな入門コース
上高地の河童橋から穂高を眺めると 森林帯上部中央に見える沢が岳沢
左手に大きくたわんでいるのが吊尾根 そして堂々とした奥穂高岳を仰ぎ見ることができます
岳沢から一気に前穂へ登って奥穂へと向かう
このコースは北アルプス三大急登のひとつに数えられるだけあって
岳沢小屋から前穂高岳まで急登に次ぐ急登です
【第1日】上高地から岳沢へ
6:30 朝日まぶしい上高地 梓川 |
本日は岳沢までの行程で 時間に余裕があるため 大正池で下車
河童橋までゆっくりと散策しながらむかいます
上高地ルミエスタホテル(旧上高地清水屋ホテル)に立ち寄り 朝ごはん |
田代橋 |
8:30 上高地 河童橋 梓川の清流と新緑 そして穂高の稜線がなんともいえない美しさです |
9:00 岳沢への登山口 |
登山口の脇には岳沢からの地下水が湧き出ています
ツガとシラビソの鬱蒼とした樹林帯を行きます
途中の立木に番号札がついていて 登山口が10番 岳沢小屋が1番になります
10:10 岳沢のガレ場 |
岳沢のガレ場の末端です
ここからは岳沢左岸につけられた道を直線的に登ります
やがて岳沢を渡り ダケカンバの林に入ると 岳沢小屋に到着です
11:45 岳沢小屋が見えてきました |
12:00 岳沢小屋に到着 上高地の眺めが最高 焼岳・霞沢岳にはさまれて遠く乗鞍岳 |
小屋のすぐ脇にあるテント場にテントをはり 夕刻までのんびりと素晴らしい眺めを満喫しました
岳沢小屋(だけさわごや)
上高地から岳沢を穂高連峰へ登る登山道にある山小屋。標高2,170m地点にある。
ここには以前岳沢ヒュッテがあった。しかし平成18年豪雪により発生した大規模な雪崩で、
2006年1月に建物が全壊、同年4月に経営者が事故死したことも重なり廃業へと追い込まれた。
岳沢ヒュッテから紀美子平までの重太郎新道は、日本アルプス屈指の急登で、途中に水場もないので利用の場合(特に登りの際)は水補給が必須とされたが、廃業により水補給やトイレ利用も不能となった。
しかし、2009年4月に槍ヶ岳山荘などを経営する会社、槍ヶ岳観光が小屋を再建することを発表。「岳沢小屋」の名で2010年7月23日に営業を再開した。規模が非常に小さい小屋となり宿泊には予約が必須となった。wikipedia
西穂高―奥穂高間のエスケープ時にも欠かせないですね
天狗沢 西穂―奥穂間 唯一のエスケープルート |
【第2日】 岳沢―前穂―奥穂―岳沢 ピストン
2日目は岳沢から前穂 奥穂へと登頂し 岳沢までもどるピストンです
6:00 岳沢小屋を出発
小屋を出発して 岳沢のガレ場を渡り 脇のテント場を通り抜けると今田重太郎が拓いた
「重太郎新道」が始まります草付きのジグザグを登り 草付きからダケカンバに変わったあたり
から傾斜が増し 梯子や鎖場も現れます
今田重太郎(いまだ-じゅうたろう)( 1898-1993 大正-昭和時代の登山ガイド)
明治31年12月14日生まれ。19歳のとき内野常次郎に弟子入り。大正13年北アルプスの白出乗越に穂高初の山小屋(現穂高岳山荘)をつくる。昭和26年岳沢から前穂高岳にいたる重太郎新道をひらいた。平成5年8月31日死去。94歳。岐阜県出身。著作に「穂高に生きる」。
【格言など】登山者の力量と山とが釣り合っていれば,遭難しても無事でいられる kotobank.kp
高度をあげ 上高地・焼岳・霞沢岳・乗鞍岳の眺め |
7:10 西穂方面 |
雷鳥平 |
7:30 紀美子平に到着 |
ささやかな広場ですが 急坂の連続で息も上がるころに 絶妙な場所にあり
登山者みんなの憩いの場です
紀美子平で道は二手に分かれます 直上するのが 前穂への道
左手に行くのが吊尾根から奥穂へ向かう道
今回は復路に前穂登頂をすることにして 先に吊尾根ルートから奥穂へ向かいます
紀美子平から吊尾根最低鞍部へは ほぼ水平なトラバース道
前穂高西面の砕石帯を行きます 最低鞍部からしばらくゆるやかな登りに
吊尾根から前穂六峰七峰八峰 |
右手にまわりこむと やがて長さ30㍍の鎖が現れます 今回は岩もドライなのであまり危険はありません(ぬれているときは細心の注意が必要だと思います)
ここから道は急登となり 南陵ノ頭に着きます ここまでくれば奥穂山頂はあと一息
9:30 無事に奥穂高岳山頂に到着 |
穂高岳の主峰 |
9:30 穂高連峰の主峰 奥穂高岳登頂
穂高岳 概要
穂高岳 概要
奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、前穂高岳、西穂高岳、明神岳などの峰々からなる穂高連峰の総称。前穂高岳以外は主に長野県松本市と岐阜県高山市の境界に位置している。主峰は奥穂高岳であり、長野県 (信州) と岐阜県 (飛騨) の最高峰である。 北は大キレットの峻険な登降を経て、南岳、大喰岳の先の槍ヶ岳に連なっている。南は奥穂高岳より西穂高岳に至る痩せ尾根を経て、焼岳へと連なる。奥穂高岳より吊り尾根を経て、前穂高岳に至り、カール (圏谷) を下れば、上高地河童橋に至る。また、岐阜県側に穂高岳山荘から白出沢を下るか、あるいは西穂高岳からロープウェーかその下の道を下れば、新穂高温泉である。
穂高岳は、剱岳、谷川岳と共に日本三大岩場に数えられている。特に、涸沢岳から南岳の稜線の飛騨側には、谷川岳一の倉沢と並ぶ有数の岩場滝谷を擁する。 (滝谷は急峻なだけでなく、崩れやすい岩も多く、岩の墓場と形容される。 また、前穂高岳の東側、奥又白谷の上部も角度の高い岩壁となっている (前穂東壁と呼ばれる) 。井上靖の小説『氷壁』で魚津が遭難したのが前者で小坂が遭難したのが後者である。
穂高岳登山の拠点となる涸沢は、奥穂高岳と前穂高岳に挟まれた吊り尾根よりU字型にえぐられた圏谷で、夏でも雪渓が残る。
ジャンダルム(gens d'armes,フランス語で憲兵。転じて前衛峰の意) 奥穂高岳の西南西にあるドーム型の岩稜で標高は3,163 m スイス・アルプス山脈の名峰アイガーにある垂直の絶壁(高さ約200m)の通称に由来する |
焼岳がずいぶんと下に見えます |
涸沢ヒュッテ |
槍ヶ岳 端正な姿 奥には三俣蓮華岳・鷲羽岳・水晶岳らをしたがえます |
山頂で十分に展望を楽しんだ後 名残惜しいですが 奥穂高岳山頂を後にして
今度は吊尾根を前穂高へ向かいます
帰りは約30分ほどで順調に紀美子平にもどってきました
紀美子平に荷物をデポして前穂山頂をピストンします
紀美子平から前穂高岳へは 急な岩稜を直線的に登ります
登り始めると道は左に折れ それから右手の明神岳側を直登
ほどなくして前穂高岳山頂に到着
12:00 前穂高岳登頂 かなり雲がでてきました |
前穂高岳 3,090㍍の山頂は南北に長く 360度の展望が広がります
槍ヶ岳から大天井岳への表銀座の稜線がなんとも美しい
素晴らしい山頂をあとにして 下りは 紀美子平 さらに岳沢まで一気に下ります
紀美子平から雷鳥平間は岩場が滑りやすく 落石もあり 毎年事故が報告される場所です
下りは特に細心の注意をはらう必要があるかと思います
14:50 岳沢までもう少し 疲れた脚にかなりこたえる下りです |
15:00すぎ 無事に岳沢小屋に帰着
【第3日】 岳沢―上高地へ下山
9:30 |
最終日の3日目は上高地への下山
小雨混じりの天気でしたが 心地よい雨で 今回の山行を振り返りながら穂高をあとにしました
健脚の方であれば1日目に前穂―奥穂登頂ののち 穂高岳山荘に泊まり 翌日涸沢経由で下山する設定(もしくは逆ルート)も可能かと思います 今度はできるかぎり軽装化・軽量化して挑戦してみたいと思います
健脚の方であれば1日目に前穂―奥穂登頂ののち 穂高岳山荘に泊まり 翌日涸沢経由で下山する設定(もしくは逆ルート)も可能かと思います 今度はできるかぎり軽装化・軽量化して挑戦してみたいと思います
2011年07月の天気図 [pdf]
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