上高地⇔槍ヶ岳ピストン山行 槍ヶ岳―奥穂高縦走断念2012年9月[無雪期ピークハント]

2012年9月22日 槍沢から槍ヶ岳を見上げて
今回は 2012年9月22日~23日
当初は槍ヶ岳~穂高縦走の予定が2日目悪天候により槍ヶ岳ピストン山行に変更となった
少し残念ではありますが 思い出に残るRECORDです

槍ヶ岳  
北アルプスを代表する名峰で 天空に鋭い穂先を突き立てた山容は 
どこから見てもそれと分かります
槍ヶ岳の魅力はその山容ばかりではなく 氷河期の遺跡といわれるカールには豊富な残雪が
照り映え 色彩あふれる高山植物が咲き競い 樹林帯の新緑紅葉も素晴らしい山です
さらに稜線に出て最後の岩場から山頂に立てば360度の見事な展望が待っています
過去ブログ 【「槍・穂高」名峰誕生のミステリー】 読了! 超火山!槍・穂高創生の物語


今回は表玄関の上高地から槍ヶ岳を登頂し 翌日槍ヶ岳から穂高岳へ縦走
奥さんは縦走ルートが少し心配ということで 上高地から涸沢に入り 翌日北穂高で合流する
という 少し無謀な?計画を立てました 結果は果たして?

【第1日】9月22日 上高地から徳澤園―横尾―槍沢ロッヂ―槍沢―槍ヶ岳山荘―槍ヶ岳へ

6:00 上高地 河童橋を出発

河童橋から岳沢上に聳える穂高を仰ぎ 梓川左岸沿いに 樹間の道を行きます
明神岳の岩峰を左上に高く仰ぐようになると 明神池への分岐点である明神に着きます
5:40 朝もやの上高地
明神岳
明神からなおも樹林道が続き すぐ先の白沢で徳本峠へ登る道を右に見送ります
道はいったんゆるやかに登り 梓川の白い河原が見下ろせる地点に
なだらかに下ると左側に小沢が現れ 古池と呼ばれます
やがて樹林が切れ河原道に出ると 左側の梓川上部に前穂高と北尾根の岩稜を望めます
再び樹林に入ると徳沢に到着します 徳澤園で小休止 カフェテリアの雰囲気もよく
食事やスイーツもとても美味しい 個人的にはカレーうどんがとても美味でオススメです

氷壁の宿徳澤園. 山をこよなく愛する作家・井上靖氏の名著「氷壁」に登場する山の宿。
前穂高連峰を間近に望み、キャンプ場も有する名作の宿 
槍・穂高連峰の登山基地 奥上高地散策の休憩地
明治初期 上高地牧場として開拓された徳沢 徳澤園は 牧場を守る番人の山小屋として誕生
ハルニレやカツラの巨木の草原で 牛馬が草をはむ風景から一世紀余り。
さまざまな旅人たちが訪れ山々と徳澤園に歴史を刻んでいく 山をこよなく愛する作家の名著の一編にも登場した名作の宿


7:10 徳澤園に到着
徳澤から少し行ったところで吊橋の新村橋を左に見送ります
この橋を渡った対岸から奥又白谷に入り 屏風のコルを越えて涸沢に至るパノラマ新道や
奥又白池へ登るコースがあります 

横尾へは梓川左岸道をなおも行きます
前穂東壁や北尾根 奥又白谷の白い岩肌を仰望しながら進むと 屏風岩が近くなってきます
梓川の河原がいったん狭まり 再び広まったところが横尾です

横尾山荘 
8:15 横尾に到着
奥上高地逍遥に 槍・穂高への往き帰りに まさにランドマーク  お風呂のある山小屋

横尾から梓川に架かる長い橋を渡って横尾本谷へ延びる道は涸沢への一般コース

槍ヶ岳へは山荘沿いに直進してシナノザサの茂った道を行きます
じきに蝶が岳へ登るコースを右に見送り ワサビ沢をすぎ 槍見河原に着きます
さらに進めば間もなく一ノ俣の渓流に架かる橋を渡ります
9:10 一の俣 
9:18 二の俣
二の俣の吊橋を渡ると道は幾分傾斜が出てきて 一度水流の脇に出て ひと登りすると
樹間に建つ 槍沢ロッヂにたどり着きます

9:43 槍沢ロッヂに到着
オオシラビソの森に囲まれた快適な山小屋 槍沢ロッヂ
槍沢ロッヂからなおも樹林の登りが続きます
右の頭上に聳える赤沢山を見合げ そこから押し出されたガレ場を横切り
赤沢の岩小屋を過ぎるとババ平と呼ばれる石積みの旧槍沢小屋のある台地状の所に出ます


10:35 ババ平 キャンプ場
このあたりから上部の展望が開けだし 槍沢の急登が続きます
やがてU字谷の様相となった槍沢が左にカーブする辺りで 道の小沢に沿って延びる踏み跡があり
これは東鎌尾根の水俣乗越に登る道です

11:00 槍沢大曲り 到着
槍沢大曲りと呼ばれる谷筋が左に曲がる所を過ぎれば残雪の上部が明るく開け ハイマツの緑に覆われたモレーン(堆石堤)が仰げます 氷河時代の遺物といわれます
道は谷の左岸沿いに急登が続きます

11:50 天狗原分岐
左側に氷河公園(天狗原)から落下する滝が見上げられ そこへ至るコースの分岐点あたりからお花畑になります ハイマツ帯の中をジグザグに登って 先ほどから見上げていたモレーンの上に
やっと出ると上部に槍ヶ岳が現れます!槍が見えたときは思わず感動

 12:50 槍ヶ岳を開山した播隆上人ゆかりの坊主の岩屋下
槍ヶ岳を開山した播隆上人ゆかりの坊主の岩屋を過ぎ ガラガラした岩道を行けば右側に殺生ヒュッテが建っています その上部はテント場になっており すぐ先から槍の肩への最後の登り ジグザグの急坂が始まります
13:15 天を衝く 槍の穂先
13:35 殺生分岐 
頭上には槍ヶ岳が大きく 槍ヶ岳山荘も手が届くほど近く見上げられますが なかなか足が進まず
かなりきつい胸突き八丁です

13:53  槍の穂先がもう目の前 
13:53  つらいですが なんとも心地よい疲労感
最後の登りをつめると ヒュッテ大槍からの東鎌尾根の道を合わせ やっと槍の肩につきます
鞍部を越えて反対側(西側)へ下っている道は 双六小屋方面への西鎌尾根への道
すぐ脇には大きな槍ヶ岳山荘が建っています
14:18 槍の肩に無事 到着 見上げる槍の穂先が実に大きい
今晩の宿泊地 槍ヶ岳山荘で小休止
宿泊手続きを終え 今日のクライマックス 大槍頂上へ向かいます



高度感がありますが なんとも心地のよい3200㍍の岩場
思わず吸い込まれそうです
15:30 槍ヶ岳 山頂
登路は岩場となっていますが 難所には要所要所に鎖や鉄梯子が架けられているので比較的安心です

そして15:30 槍ヶ岳山頂に立ちました

槍ヶ岳山頂は狭いながらも方向案内盤と小さな祠があり360度遮るもののない展望が広がります 

南側はいま登ってきた槍ヶ岳山荘が見下ろせ その先には大喰岳から南岳への稜線 さらにその先に穂高連峰のゴツゴツした岩峰が群立しています 彼方には乗鞍岳から御嶽山が浮かびます 

東側には眼下にえぐり取られたような槍沢のU字谷と殺生ヒュッテ大槍が小さく望め その向こうに西岳から大天井岳 燕岳へ続く稜線 さらに常念岳が横たわっています

北側は天上沢の広々とした河原や険しい岩稜が落ち込む北鎌尾根が足下に広がり 水晶岳をはじめとした裏銀座コースの山々や 立山から剱岳もはるかに望め その左には薬師岳 黒部五郎岳など北アルプス北部の山々がずらり並びます 

そして西側には西鎌尾根を経て 樅沢岳や双六岳 多く白山が望め夕日が落ちていきます


登ってきた槍沢を眼下に 殺生ヒュッテ
こうして1日目無事に予定通り 槍ヶ岳登頂を果たし 翌日の穂高への縦走に備えました

2日目 天候条件が良ければ 予定では 槍ヶ岳から北穂高へ縦走する予定だったのですが、
なんと 天気予報では前線が接近するとともに台風の影響も出始めるとの予想

2012年09月の天気図 [pdf]

【第2日】9月23日 槍ヶ岳―槍沢―槍沢ロッヂ―横尾―徳澤園―上高地

願いもむなしく 2日目の朝 すでに雨が降り始めています 予報では今後時間の経過とともに
風雨が強まるとのこと  この条件ではとても大キレット 飛騨泣きなどの通過は困難と判断
なんとか涸沢小屋にいる奥さんとも連絡がつき 二人とも今回はこのまま上高地へ下山する
ことになりました

7:30 残念ながら下山開始 上高地―槍ヶ岳のピストン山行となりました

行きはゆっくりと観られなかった播隆窟をゆっくりと拝見

播隆(ばんりゅう、1786年(天明6年) - 1840年11月14日(天保11年10月21日)は、江戸時代後半の浄土宗の僧。槍ヶ岳の開山、笠ヶ岳の再興者。笠ヶ岳の東面の平坦地は播隆に因み播隆平と呼ばれている



9:15 槍沢大曲り
10:00 槍沢ロッヂに到着 早い昼ご飯 暖かいうどんが冷えた身体に沁みます
12:00 横尾着
13:00 徳澤園着 ソフトクリームが美味
14:00 明神館着
14:30 上高地 河童橋へ帰着 意外と天気はもってました
下りは快足を飛ばして約6時間(休憩時間除く) 残念ながら天候条件に恵まれず 
予定とは違う山行ルートになりましたが 槍ヶ岳と涸沢という別の場所間で連絡を取り合うのに
なかなか携帯がつながらず槍ヶ岳山荘さんと涸沢小屋さんの方に大変お世話になりました 
本当にありがとうございました!
槍ヶ岳―穂高岳の縦走はまたおあずけとなってしまいましたが とても思い出深い山行となりました




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