新東名の豊田―浜松が開通【新東名つながる!豊田東JCT↔浜松いなさJCT】

東京―名古屋 より近く 新東名の豊田―浜松が開通 (日経新聞)

2016/2/13 10:27 (2016/2/13 15:09更新)


首都圏と中部圏を結び、日本の新たな大動脈となる新東名高速道路の浜松いなさジャンクション(JCT、浜松市)と豊田東JCT(愛知県豊田市)間(約55キロ)が13日午後開通した。並行する東名高速道路の渋滞緩和効果も期待でき、東京―名古屋間の平均的な移動時間は4年前の新東名開通前に比べて1時間程度短くなる。新東名は2020年の東京五輪に向け神奈川県への延伸も予定されており、ダブル高速ネットワークが実現する。

新東名を建設した中日本高速道路は同日午前9時半、新区間に開設する岡崎サービスエリア(SA、愛知県岡崎市)で記念式典を開いた。石井啓一国土交通相は「地域間が強固に結びつけば、日本の経済成長がより確かなものになる」と述べた。

中日本高速によると今回の新区間の開通で静岡県御殿場市と豊田市が約2時間で結ばれ、新東名開通前に比べて1時間短縮でき、東京や名古屋までの到着時間が早くなる。また並行する東名の豊田JCT―三ケ日JCT(浜松市)間の年間約600回発生していた交通渋滞は、新東名に車が分散するため、8割減る見通しだ。

新東名は4年前に御殿場JCT―三ケ日JCT間が部分開業した。今回で全体の約8割が完成することになり、20年度までに残りの区間、海老名南JCT(神奈川県海老名市)までの全線開通を目指す。





新東名高速道路の本線で行われた開通セレモニー(13日午前、愛知県岡崎市)

初めて高速道路のICができる愛知県新城市は企業誘致を強化する。ICの目の前にある工業団地に空きはなく、市は新たな工業団地を造成する。新東名は東名より内陸部にあるため南海トラフ地震など大災害時には物資輸送で東名のバックアップ機能も期待されている。穂積亮次市長は1月下旬に開いた企業説明会で「災害時も安心」と訴えた。

浜松市は16年度、ICのある浜松SAの近くに約50ヘクタールの工業団地の造成を始める。「愛知県の自動車関連企業などにも声を掛ける」(産業振興課)。静岡県富士市も4月以降に工業団地の整備に向けて調査に入る。

名鉄運輸は東京都江東区の支店を売却し、代わりに都心を遠巻きに走る圏央道(首都圏中央連絡自動車道)のIC近くに新拠点を設ける。川松昌市取締役は「各社が物流拠点を都心から圏央道の周辺へシフトしている。新東名が開通すれば車の流れはよりスムーズになる」と話す。

コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンは岡崎SAに長距離ドライバーらの利用を見込み全国初のシャワースタンド付きの店舗を開く。中部地方で最多の客数を集めそうな同SAの新店舗をモデルケースと位置づけ、事業の可能性を探る。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、開通による経済効果は愛知、静岡両県の観光消費額だけで約1000億円。渋滞が大幅に減ることで、レジャーに出かける観光客が両県で年間1100万人以上増えるとみている。


MEXCO中日本



■ 新東名と東名のダブルネットワークが約200kmに
新東名高速道路の豊田東JCT〜浜松いなさJCT間(約55km)の開通によって、
すでに開通した区間と合わせ、約200kmのダブルネットワークを形成します。

新名神高速道路とともに、関東〜中部〜関西の移動時間を大幅に短縮。日本の大動脈として、
人や物の流れをスムーズにし、三大都市圏の連携を強化します。













■ 東名の慢性的な渋滞が大幅に緩和
年間600回程度の渋滞が発生している、
東名(三ヶ日JCT〜豊田JCT間)。

新東名(豊田東JCT〜浜松いなさJCT)の開通による交通の分散によって、
大幅な渋滞緩和が見込まれ、移動時間が短縮するとともに
交通事故の減少が期待されます。

東名(三ヶ日JCT〜豊田JCT)の交通集中渋滞回数



■ 所要時間の短縮と定時性の確保御殿場JCT~豊田JCT間の所要時間が、
東名のみ(2010年当時)を通行した場合の
所要時間(朝夕の平均速度から算出)と比較し、
約60分の短縮となります。

ダブルネットワークの形成で、渋滞の大幅減少や、交通事故等による通行止め時の
代替経路の選択が可能となり、定時性が確保されます。




■ 物流の効率化を支援
ダブルネットワークの形成により定時性が確保され、
夜間以外の時間帯でも長距離幹線輸送が可能となり、
大都市間の当日配達が実現され、配送のスピードアップが期待されます。
〈高速道路IC付近に立地する大型物流拠点〉