『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』第6話「その仮面の下に」


お前の言うことは間違っていない 正しい戦争なんてない
でも正しさが人を救うとは かぎらない

このパラオが まだアステロイドベルトにあったころに造られた物だ
初期の宇宙開拓者といえば 地球で食い詰めた者や政治犯
ほかに生きていくすべを 持たなかった者たちばかりだ
宇宙世紀が始まったとき 時の首相は 「神の世紀との決別」といったそうだが・・・
太陽も星のひとつに紛れてしまいそうな アステロイドベルトに住む彼らには
すがるべき光が必要だったんだろう

光がなければ 人は生きていけない
でも 宇宙に捨てられた人々は やがて 神に代わる光をみいだした
「ジオン」という名の新しい光を


彼らには それが必要だった
絶望にあらがい 残酷で不自由な 世界で生き続けるために
この世界には改善の余地があると思わせてくれる何かが・・・
「そんなものがなくても生きていける」
「実体のないものに すがるなんて ばからしい」
そう言い切れるヤツがいるとしたら
そいつはよほどの幸せ者か
世間に関わっていないかのどちらかだろうな

「人間だけが神を持つ」
そう言っていた人がいるんです
「今を超える力・・・可能性という名の内なる神を」って

ロマンチストだな
人や世界を信じていなければ そんな言葉は出てこない
きっと優しい人だったんだろう


お前が落としたヤツのことは気にするな
モビルスーツに乗って戦場にいれば それは パイロットという戦闘単位だ
気に病む必要はない
ただ・・・「自分が既に状況の一部になっている」
ということだけは覚えておけ
ミネバ様のために 行動を起こしてくれたこと 礼を言う