『機動戦ガンダムユニコーン RE:0096』第11話「トリントン攻防」


ラプラス・プログラムが新たに開示した場所は
人々の 悲しみ 恨み 祈り 様々な想いの集まる 始まりの地 トリントンへ











砂漠を旅したバナージは連邦軍に家族を殺されたジンネマン達の悲しい過去を知り、『ラプラスの箱』をより良く使う方法を探るべく新たな情報が開示される場所、トリントン基地へ向かうことを決意する。そのトリントン基地への攻撃をフロンタルに進言するロニ。彼女は地球連邦首都ダカールを襲撃したシャンブロのパイロットだった。一方、リディはデルタプラスでブライト艦長が指揮するラー・カイラムに合流する。そのラー・カイラムにトリントン基地が襲われたとの報が入る。ジオン残党軍がカークスの呼びかけで結集したのだ。シドニー新湾に現れたシャンブロは無差別に市街地を破壊しながら進撃。ジオン残党の怨念がロニを殺戮に駆り立てていた。

  • 脚本:むとうやすゆき
  • 絵コンテ:古橋一浩、玄馬宣彦
  • 演出:菱田正和、綿田慎也、京極尚彦
  • 演出協力:佐藤照雄
  • キャラクター総作画監督:高橋久美子
  • メカ総作画監督:玄馬宣彦
  • キャラクター作画監督:茂木信二郎、堀内博之、濱田邦彦、藤澤俊幸
  • メカ作画監督:中谷誠一、仲 盛文、城前龍治、津野田勝敏
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1月4日 ブリティッシュ作戦発動


(フラスト)《俺たちはこのアフリカで捕虜になった 収容所じゃ協定もへったくれもない扱いを受けたがそんなことはいい ジオンはジオン 連邦にしてみりゃ 俺たちは 「コロニー落とし」をやった悪魔だ お偉いさんたちが平和の話し合いを進める一方で 本国へ進駐してきた連邦の兵隊どもは 不満をため込んでいった 「鬼畜ジオンを殺せ」「女を抱きたきゃジオンで手に入れろ」って教えられてきた連中だ 鎮めるためにはいけにえが必要だった そしてある晩 ひとつの町が 突然押し寄せた兵隊どもに蹂躙された 命乞いをする年寄りも泣いてすがる子供も 一人残らず殺された 表向きは暴動を起こした住民を 鎮圧したってことで片づけられたが それがガス抜きだったことは 誰の目にも明らかだった 町の名はグローブ そこに 俺の親父とおふくろがいた キャプテンの家族…嫁さんとまだ5歳になったばかりの娘さんも…ジオンの再興で何か救われるって話でもないし 箱の中身が何だろうとしったことじゃねえ ただ 世界を呪って野たれ死ぬか 終わらない戦いを続けるか 俺たちはそのどちらかを選ぶしかなかった》




(ジンネマン)《なんで泣く?》

あんまり きれいで…

(ジンネマン)《地球が汚染されてるなんて話がウソに思えてくるな だが ここいらの空も昔より汚れている 砂漠も もう ダカールの喉元まで迫っているらしい 全て人間のやったことだ
乱開発や「コロニー落とし」や「隕石落とし」 人が自然から生まれた生き物なら 人が出すゴミや毒も自然の産物ってことになる このまま人間が住めなくなったとしても それはそれで 自然がバランスをとった結果ということなんだろう 自然に慈悲なんてものはない 昔の人間は そいつを知っていた ほかならぬ 自然の産物の本能としてな》 

だから 生きるために文明をつくり 社会をつくって身を守った




(ジンネマン)《ああ だが そいつが複雑になりすぎて いつの間にか 人は そのシステムを維持するために生きなきゃならなくなった あげく 生きることを難しくしちまって その本末転倒から脱するために宇宙へ新天地を求めた そこで また 別のシステムってやつが出来上がった 宇宙に捨てられた者 スペースノイドに希望を与え 生きる指針を示すための必然 それがジオンだ
地球に残った古い体制はそいつを否定した 出自の違うシステム同士が相容れることはないからな どちかかが どちらかを屈服させようとするだけだ》 

でも 連邦っていう統一政府があって 宇宙に100憶の人が住んでいる世界なんて きっと 昔は夢物語でしたよね そういう可能性も 人には あるんじゃないですか?2つの考え方が いつか 1つになることだって




(ジンネマン)《みんなが平等に束ねられたわけじゃない はじかれて潰された連中の怨念は 今でも 地球に へばりついている》 

悲しいことです それは…

(ジンネマン)《ああ 悲しいな 悲しくなくするために生きているはずなのに なんでだろうな?
うん? バナージ》

分かってますよ 男が人前でなくもんじゃないっていうんでしょう?

(ジンネマン)《いや 人を思って流す涙は別だ 何があっても泣かない なんてヤツを 俺は信用しない》