箱根トレイル⑧ 箱根湯本~箱根旧街道東坂~元箱根~箱根神社~湯坂路~箱根湯本

トレラン日記 箱根編⑧ 『箱根旧街道&湯坂路(鎌倉古道)トレイル25K』

(往路)箱根湯本~箱根旧街道東坂~畑宿~甘酒茶屋~屏風山(新期外輪山)~

箱根関所跡~元箱根~箱根神社

(復路)箱根神社~鷹巣山~浅間山~湯坂路~箱根湯本

2016年12月18日(日) 天候 晴れ時々曇り

2016年12月18日(日) 9:20 元箱根港から扇の要 富士山 左に三国山 右に箱根神社
2016年12月18日(日) 9:05 箱根神社にて



前回の 箱根編⑦ 『箱根外輪山トレイル35K』で、日没時間切れとなった箱根湯本~元箱根編。

小春日和の天気予報に誘われて。

【アクセス】

横浜町田IC ―東名高速― 厚木IC ―小田原厚木道路― 箱根口IC ―箱根湯本P(三枚橋渡ってすぐ左へ、郷土資料館からすぐです)片道約70km (往路復路とも約60分)

AM3:30 横浜を出発 途中毎度の海老名SAで朝ごはん 
AM5:00 START地点の箱根湯本Pに到着
箱根湯本周辺には無料駐車場がないので、三枚橋を渡ってすぐの箱根臨時観光有料駐車場の隣の駐車場へ。(30分無料、4時間500円、1日最大1500円です。約30台)
臨時観光有料駐車場も同じ料金ですが、こちらは土日祝日のみ稼働のようです。



5:40 まだ暗い中、ゆるりとSTART。しばらくは箱根旧街道の車道走りです。温泉旅館が建ち並ぶバス通り。街灯はありますが、十分に車の往来に注意。

5:55 箱根旧街道から温泉街の明かり
6:10 ホテルはつはな前 

途中、しばらく歩道の無い車道走りが続くため十分注意が必要です。

6:15 須雲川自然探勝歩道入口に到着
6:15 須雲川探勝歩道入口から遊歩道へ入ります。

『須雲川』
二子山付近を源流にし、箱根湯本で早川と合流して相模湾に流れる。この付近には箱根火山が活動する前のより古い時代(約400万年前)の須雲川安山岩類という地層が分布している。
県道の須雲川橋の下の河床では、約27~23万年前に地下深くのマグマだまりからマグマが地表に向けて出口を探しながら岩盤を割りながら上昇してきた痕跡を見ることができる。このマグマの通路のことを「岩脈」とよび、垂直に近い薄い板状の岩体が何枚も入り込んでいる様子を観察できる。

6:30 割石坂 

6:45 畑宿に到着
6:45 畑宿に到着 標高約400mです。

一里塚
さすが天下の剣 昔の人の苦労がしのばれます。

7:05
7:17


7:23


7:25 甘酒茶屋に到着


7:25 甘酒茶屋に到着

『甘酒茶屋』
江戸時代、徳川幕府は人々や物資の往来が盛んになるように街道の整備を実施。東海道はその中でも重要な街道で、この箱根地域(湯本~箱根関所間、通称「東坂」)は道が大変険しく、当時の旅人が普通1日十里を旅するところ、箱根地域では八里しか歩けなかった。
道中には「甘酒」をふるまう茶屋が設けられるようになり、文政年間(1818~29)には「甘酒茶屋」と記録があり、箱根地域には9箇所設けられていたよう。この地には4軒あり、付近の追込坂上、樫木坂上、猿滑坂上にもあった。

7:30 屏風山コースと元箱根コースへの分岐
7:30 分岐を屏風山コースへ ひっそりとして樹林帯の道をゆきます。

7:53 屏風山山頂に到着

7:53 箱根新期外輪山の一つ「屏風山」山頂に到着 標高100mの湯本から約850m。なかなか登りでがあります。残念ながら展望はないですが、大観山や古期外輪山の山々から眺めていた新期外輪山ピークの一つを踏めて、感慨深い。


8:07
8:15 箱根関所跡前 屏風山登山口に降り立ちます 民家の脇です。
8:17
『箱根関所』(国指定史跡 箱根関跡)

箱根関所が、江戸幕府によって、山と湖に挟まれた交通の要衝であるこの地に設置されたのは、元和5年(1619)のことと伝えられている。箱根関所は、江戸幕府が江戸防衛のために、全国に設置した53カ所の関所のうち、東海道の新居(静岡県)、中山道の碓氷(群馬県)、木曽福島(長野県)と並んで規模も大きく、特に重要な関所と考えられていた。
この関所の配置は、箱根山中の東海道の中で、屏風山と芦ノ湖に挟まれた要害の地形を利用して、山の中腹から湖の中まで柵で厳重に区画し、江戸口・京口両御門を構え、大番所と足軽番所が向き合うものとなっている。
一般的に関所では、「入り鉄砲に出女」を取り調べたといわれているが、この箱根関所では、江戸方面からの「出女」に対する厳しい取調べを行っていた。
江戸時代を通じて機能を果たしてきた関所だが、設置から250年後の明治2年(1869)、新政府により関所制度が廃止され、その役割を終えた。
箱根関所の跡地は、大正11年(1922)、「箱根関跡」として国の史跡に指定された。昭和40年(1965)には番所の建物が建設され、その後、昭和58年(1983)、江川文庫(静岡県伊豆の国市)から、慶応元年(1865)に完成した箱根関所の大規模修理についての克明な資料『相州箱根御関所御修復出来形帳』が発見され、資料の解析や跡地の発掘調査を経て、平成19年(2007)春、国土交通省、文化庁、神奈川県の補助を受けた復元整備を終え、箱根の関所は往時の姿に蘇った。

8:30 芦ノ湖畔から
9:00 箱根神社に参拝
9:00 箱根関所跡から元箱根を経て、箱根神社へ参拝

『箱根神社』
六国史や延喜式神名帳には見えないが、『筥根山縁起并序』(建久2年(1191年)、箱根権現別当・行実編纂)によると、古代から箱根山に対する山岳信仰は盛んで、特に神山への信仰は篤く、神山を遥拝できる駒ケ岳の山頂を磐境として祭祀が行われていた。
特に、孝昭天皇の時代に聖占(しょうせん)が駒ケ岳において神仙宮を開き、神山を神体山として祀ったことが、山岳信仰の隆盛に大きな影響を与えたとされる。駒ケ岳の山頂では現在も10月24日に御神火祭が行われており、古代における神山への祭祀の名残を示しているという。
天平宝字元年(757年)、万巻上人が現在地に里宮を創建して僧・俗・女の三体の神を箱根三所権現として祀ったと伝える。その後、伝承では、万巻が人々を苦しめていた芦ノ湖の九頭龍を調伏し、現在の九頭龍神社本宮を建立して、九頭龍を守護神として祀ったとされる。
社宝の『箱根権現絵巻』には、天竺斯羅奈(しらな)国・波羅奈国の姫君と王子が日本に来て箱根三所・伊豆二所両権現となったという伝承が掲載されている。
『吾妻鏡』には石橋山の戦いで敗れた源頼朝を当社の権現別当が助けたとの記事があり、以降、関東の武家の崇敬を受けるようになった。豊臣秀吉の小田原征伐の際に焼失したが、徳川家康が社領200石と社地不入の朱印状を寄せ、社殿を再建した。
長らく別当寺の金剛王院東福寺が箱根権現の中核であったが、明治の神仏分離の際に別当は還俗して神職となり、箱根神社に改称した。昭和3年に国幣小社に昇格した。
昭和39年(1964年)、堤康次郎の寄進によって駒ヶ岳山頂に箱根元宮が再建された。以来、奥宮として登拝者を集めている。
平成11年(1999年)、九頭龍神社の新宮が箱根神社の境内に建立された。



9:08
芦ノ湖対岸には山伏峠
9:20 元箱根港から
9:20 
9:20 駒ケ岳 鏡のような湖面に映る稜線と白い雲が美しい
10:00 元箱根でブランチをいただきながら小休止したのち、国道1号を宮の下方面へ。
復路は、国道1号線に沿って二子山の裾を巻きながら、途中で湯坂路ハイキングコースを箱根湯本へ降りるルートです。

10:20 精進池から駒ケ岳
10:25 国道1号最高地点 標高874m ここまでの登りが地味に脚にきます
10:35 湯坂路(鎌倉古道)の入り口 
10:35 湯坂路(鎌倉古道)入口に到着
ここで国道1号線に別れをつげ、ハイキングコースを箱根湯本へ向けてダウンヒルです。

10:40 鷹巣城跡
10:40 鷹巣城跡に到着 秀吉の小田原攻めの際、秀吉軍は箱根山に入ったと思われるが、この時、秀吉に従って参陣した家康も、しばらくこの城に滞在したとのこと。

10:45 鷹巣城から浅間山の途中 振り返れば、金時山が
10:55 心地よいトレイルルート
10:55 浅間山に到着
浅間山 標高804m
振り返ると 左・駒ケ岳 右・神山

11:40 湯坂城跡 
11:50 湯坂路登り口

12:00 箱根湯本に帰着

【コースタイム】 トータル 約6時間35分 休憩込み
(カッコ内は標準コースタイム(歩行時間))

(往路)
箱根湯本P~畑宿 1:05(2:00)
畑宿~甘酒茶屋 0:40(0:55)
甘酒茶屋~屏風山 0:25(0:50)
屏風山~箱根関所跡 0:20(0:40)
箱根関所跡~元箱根 0:10(0:15)
元箱根~箱根神社 0:10(0:15)

(復路)
箱根神社~湯坂路入口 0:35(1:20)
湯坂路入口~鷹巣山 0:05(0:15)
鷹巣山~浅間山 0:15(0:20)
浅間山~箱根湯本 1:05(1:35)

TOTAL 4:50(8:25)

平面距離 25.5km
沿面距離 26.0km
最高高度 946m
最低高度  68m
累計高度(+)1474m
累計高度(-)1378m
平均速度 3.9km/h
最高速度 9.1km/h

☆ 今回は、箱根外輪山1周50Kの空白区間15Kを含む、箱根湯本~元箱根往還ルートでした。
さすが天下の剣、七曲りを登り、新規外輪山の一つ屏風山を越えるヒルクライムは、かなりハード。
標高差850mを登り詰めるため、ペース抑えめが肝要です。昔の人の苦労に思いをはせながら、登りづめの前半を頑張ると、芦ノ湖からの富士山、箱根外輪山の絶景が迎えてくれます。厳かな箱根神社に参ったあと、途中箱根駅伝の復路ルートを走り、駅伝選手の凄さを身をもって知り、最後は鎌倉古道の湯坂路を通って、いにしえの武士達も通ったであろう歴史ロマン満載のルートを走ることができました。

ルート中、一部歩道のない車道を行く箇所があるため、十分注意が必要です。そのほか危険箇所はありませんが、冬期は霜が降りていることが多いため、その点には注意が必要です。