2021年6月(第2週)【Aducanumab FDA承認成る エーザイ2日連続ストップ高】

 

Aducanumab (Aduhelm™) has been approved as a treatment for Alzheimer’s by the U.S. Food and Drug Administration (FDA). This is the first FDA-approved therapy to potentially delay decline from the disease, compared to current medications that only address symptoms.

It is also the first therapy to demonstrate that removing amyloid from the brain may delay decline in people living with Alzheimer’s. Approval of this therapy underscores the importance of early detection and diagnosis to ensure individuals receive the most benefit as soon as possible.

The historic approval of aducanumab ushers in an exciting era in Alzheimer’s and dementia treatment and research. Approvals of the first drug in a new category benefit people living with the disease by invigorating the field, increasing investments in treatents and generating innovation.


【マーケット1週間】

6月7日(月) 日経平均が一時300円近く上昇となる場面があったが、買い一巡後は伸び悩み。前週末の米5月雇用統計がコンセンサスを下回り、米長期金利が低下するなか、米国の緩和的な金融政策は長期化すると観測が強まったことが追い風となった。ただ、買い一巡後は伸び悩み77円高で取引終了。

6月8日(火) エーザイ<4523.T>に寄り付き大量の買い注文が殺到、カイ気配スタートで4連騰。米国の独立系バイオ企業大手バイオジェンとアルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」の共同開発を進めているが、米食品医薬品局(FDA)は7日、同治療薬についての承認申請を認めることを発表。認知機能の低下を長期にわたり抑制する進行抑制型の機能を持つ医薬品として世界初の承認となり、株価に強烈なインパクト。1500円ストップ高の9251円。アデュカヌマブは米バイオジェンが昨年7月にFDAに承認申請を行っていた。また、国内でもエーザイが昨年12月に厚生労働省に承認申請している。前日の米国株市場では、FDAの承認取得を受けてバイオジェンの株価は一時60%を超える急騰。

一方、日経平均は55円安と冴えない展開で反落。新型コロナワクチンの接種拡大が評価され、景気敏感株などは底堅く推移し、TOPIXは6日続伸した。ただ、値がさ株や半導体株などハイテク関連が軟調な値動き。

6月9日(水) エーザイ<4523.T>は連日でカイ気配でスタート。アルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」の米当局からの承認を受けストップ高した8日に続き、買い注文が殺到。値幅制限は1万755円(前日比1504円高)。野村証券は8日付でエーザイの目標株価を1万5000円から1万8000円に引き上げるなど、さらなる上値余地を指摘する見方も。エーザイとバイオジェンは今後、認知機能の悪化抑制を検証する大規模臨床試験(フェーズ3)を再度実施する必要がある。アデュカヌマブは日本や欧州での承認期待も高まる。日経平均はこの日も102円安と続落。引き続き半導体関連などへの売りが目立ち上値が重い展開。

6月10日(木) 2日連続ストップ高後、エーザイ<4523.T>は寄り付き高く始まったものの、その後売り優勢に傾く。2営業日連続のストップ高で合計3000円あまりの上昇。上昇率にして39%。3日目の10日は利食い圧力も顕在化しあっさりと寄り付いた。

日経平均は97円高と3日ぶりに反発。新型コロナワクチンの接種拡大による経済活動正常化に向けた期待が相場を下支え。ただ、日本時間のこの日の夜に発表される米5月CPIの結果待ちで引き続き積極的な売買は手控え。

6月11日(金) 米5月CPIは通過したが、依然として様子見姿勢が継続。米CPIは市場予想を上回る物価上昇となったが、米金融政策に変化はないとの見方から米長期金利は低下しNYダウは上昇。これを受け、日経平均も値を上げてスタートしたが、上値は重く、わずかに9.83円安で取引終了。



■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、15業種が上昇
 (2)郵船 <9101.T> など海運業が値上がり率トップ、ANAHD <9202.T> など空運、SGHD <9143.T> など陸運も高い
 (3)エーザイ <4523.T> 、大日本住友 <4506.T> など医薬品は大幅高
 (4)菱地所 <8802.T> など不動産、楽天グループ <4755.T> などサービス、ヤクルト <2267.T> など食品といった内需株は総じて堅調
 (5)コマツ <6301.T> など機械、日産自 <7201.T> など自動車、レーザーテク <6920.T> など電機といった輸出株は安い
 (6)三菱UFJ <8306.T> など銀行、第一生命HD <8750.T> など保険、野村 <8604.T> など証券といった金融株は売られた
 (7)日本製鉄 <5401.T> など鉄鋼、住友電 <5802.T> など非鉄といった素材株も軟調


■来週のポイント
 FOMCを控えているうえ、手掛かりにも乏しいことから、来週も2万9000円近辺の狭いレンジでもみ合う展開が継続されそう。

 重要イベントとしては、国内では16日朝に発表される5月貿易統計と4月機械受注統計や17日-18日に開催される日銀金融政策決定会合、18日朝に発表される5月全国消費者物価指数。海外では15日-16日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)や15日に発表される米国5月の小売売上高と鉱工業生産、16日に発表される中国5月の小売売上高と鉱工業生産に注視が必要。







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