2021年6月(第4週)【日経下り最速~世界の売りヘッジ市場~一時1000円超安→猛反発】

 




【マーケット1週間】

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比102円(0.35%)高の2万9066円で3週連続で上昇。月曜に一時1000円超の暴落。しかし、米国株市場が早期利上げ懸念による波乱を経て上昇トレンドに復帰したことで、東京市場もそれに引っ張られる形で反発。パウエルFRB議長の議会証言が注目されたが、結果的に米株市場はこれを好感する形に。ナスダック総合指数とS&P500指数が最高値を更新し、東京市場にも追い風材料に。

6月21日(月) 前週末セントルイス連銀総裁が来年中の利上げの可能性に言及し、これを嫌気して米国株市場ではNYダウが500ドル超の下げとなり、日経平均もこれに追随。海外勢の先物ヘッジを絡めた売りで一時1000円超の暴落。日本独歩安。流動性のある日本市場が先物ヘッジ天国に。

6月22日(火) 一転して猛反発。NYダウが前日の下げを完全に取り返す急反発に転じたことを受け、東京市場でも市場心理が大きく改善。日経平均採用の225銘柄すべてが上昇し、870円強の上昇に。東証1部全体でみても96%の銘柄が上昇する文字通りの全面高。

6月23日(水) 小幅のレンジで揉みあい。前日終値を挟み右往左往する展開で、日経平均は結局9円安とわずかに安く引け。パウエルFRB議長の議会証言は、インフレ率上昇を一過性とする従来の主張を変えず、米国株市場ではこれを好感して終盤上げ幅を広げた。ただ、東京市場での反応は限定的。

6月24日(木) 夜間からドル高円安が進行し、111円台を突破。これを追い風に輸出株中心に小高くはじまるも日経平均は前日比ほぼ横ばいで着地。この時点で日経平均は前週末終値を90円程度下回る水準。

6月25日(金) 米国でのインフラ投資期待が相場をリスクオンに。米国株市場ではナスダック総合指数とS&P500指数いずれも最高値更新、これを受けて東京市場も買いが先行。戻り売り圧力が顕在化し途中伸び悩んだが、大引けで2万9000円台をキープして取引終了。

75日線の攻防
■来週のポイント
 来週は週末に一時上抜いた75日移動平均線を巡る攻防が想定される。ただNY株式相場が、ゴルディロックス相場の様相で、上値追い・リスクオン態勢で、東京市場にも追い風となりそう。また引き続き円安が維持されており、プラス要因。懸念要因は東京で増加の兆しがある新型コロナウイルス感染再拡大。全体的に上方向バイアス。


今週の【上場来高値銘柄】三井ハイテク、イーレックスなど32銘柄
上場来高値を更新した主な銘柄は、排ガス浄化触媒とキーデバイス用電子材料で成長が期待される第一稀元素化学工業 <4082.T> 、三井ハイテック <6966.T> 、モルガン・スタンレーMUFG証券が目標株価を4200円→4800円に引き上げた新光電気工業 <6967.T> 、ウチダレックグループが提供する賃貸管理CRMシステム「カクシンクラウド」とAPI連携を開始するジェイリース <7187.T> 、島津製作所の工場をはじめとする5施設に対して「再エネ電力」の供給開始を発表したイーレックス <9517.T> など。また、富士フイルムホールディングス <4901.T> 、日立物流 <9086.T> など19社は先週に続き上場来高値を更新した。



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